言部げんぶは、漢字を部首により分類したグループの一つ。 康熙字典214部首では149番目に置かれる(7画の3番目、酉集の3番目)。

概要

「言」字は言語で人に何かを伝えるといった言語行動を意味する。

他に言語行動を表す字に「語」字があるが、「言」がその人から発言し始めることを表すのに対し、「語」は他人の話に答えることや互いに話し合うことを表す。

また「言」字は目的語に聞き手となる人をとることなく、言及する事物だけを目的語にとるのに対し、「語」は聞き手を目的語にとることができる。名詞としては両者とも言語・言葉といった意味を持つ。

また日本語の「いう」に当たる字として他に「謂」や「曰」があるが、これらは人について批評したり、「 - という」といった事物の呼称を表す字であり、その異なる機能として「謂」は「 - にいう」というように間接目的語として聞き手の人物を導くのに使われ、「曰」は話した内容を引用するのに使われる。

その字源については、「舌」字に記号をつけた指事文字という説や「辛」(罪人に刑罰として刺青を入れる刀)と「口」の会意文字あるいは形声文字といった説がある。ちなみに「言」字の「口」のなかに「一」がある指示文字が「音」字である。

偏旁の意符としては言語や言語を使った活動に関することを示す。また形容詞として使われるとき、「誠」や「謹」のように品行道徳に関するものもある。多くは左側の偏の位置に置かれて左右構造を作り、時に下側の脚の位置に置かれて上下構造を作る。

その他異体字も多く、部分を変えた異体字(訛と譌など)、上下や左右の構造が異なる同字(讐と讎など)、表外字の拡張新字体(諫と諌、讚と讃、譖と譛など)、口部の異体字(善と譱、嘩と譁など)などが存在する。

言部はこのような意符を構成要素に持つ漢字を収める。

字体差

筆記体である楷書では「言」の1画目は点とすることが多い。その他、短い横棒や短い縦棒にするものも見られる。

印刷書体(明朝体)において『康熙字典』は篆書や石経にもとづき「言」の1画目を短い横画とした。日本では新字体・表外漢字を問わず、康熙字典体に従っている。一方、中国の新字形・台湾の国字標準字体・香港の常用字字形表は1画目を点とする字形を採用し、「亠」系統の字形と統一させている。

簡略字体

また中国の簡化字では偏の位置にあるとき、「讠」のように2画に簡略化される。さんずいと間違えやすいので注意が必要である。

部首の通称

  • 日本:ごんべん・げん・ことば
  • 中国:言字旁・言字底
  • 韓国:말씀언부(malsseum eon bu、ことばの言部)・말씀언변(malsseum eon byeon、ことばの言の偏)
  • 英米:Speech radical

部首字

  • 中古音
    • 広韻 - 語軒切、元韻、平声
    • 詩韻 - 元韻、平声
    • 三十六字母 - 疑母
  • 現代音
    • 普通話 - ピンイン:yán 注音:ㄧㄢˊ ウェード式:yen2
    • 広東語 - Jyutping:jin4 イェール式:yin4
  • 日本語 - 音:ゲン(漢音)・ゴン(呉音) 訓:いう・こと(ば)
  • 朝鮮語 - 音:언(eon) 訓:말씀(malsseum、言葉)

例字

最大画数

𧮩

脚注


言 书法字典 概吧

詠——每日一字·言部字 知乎

【胡宗宪台词向】大明王朝胡宗宪:此心光明,亦复何言。胡部堂的人格和官道。_哔哩哔哩_bilibili

信——每日一字·言部字 知乎

詠——每日一字·言部字 知乎