エンルム岬(エンルムみさき)は、北海道様似郡様似町にある岬の名称である(アポイ岳世界ジオパーク 様似海岸エリア Geological Site C3)。

呼称

エンルㇺとはアイヌ語で「岬」という意味であり、様似川の河口東岸の所から島のような岬が伸びていて、そこが「エンルム」と呼ばれている。 エンルム岬は直訳すると「岬岬」ということになる。 地名の由来は、アイヌ語の「エンルㇺ(enrum)」(岬)または「エㇽムン(ermun)」(ネズミ)などがある。

歴史

エンルム岬にある「会所町エンルム岬遺跡」は、擦文式土器が出土している。また、アイヌ伝説も複数あり、代表的なもので「エンルム岬のクジラ」や「エンルムの白狐」や「様似エンルムの悪酋長」がある。

江戸時代には、会所が岬の麓に置かれ文化の中心を成した。また、岬中腹に木砲台2基が置かれ、「観音堂」「船魂社」「稲荷社」からなるエンルム三社が文化年間に建立された。

地質

エンルム岬は、過去には独立した島であったが、砂州の形成により繋がり、現在は陸繋島となっている。塩釜トンネルからローソク岩、親子岩、ソビラ岩を経てエンルム岬が一直線に並んでいる。これらは同じ地質から構成されており、元々は一続きの大規模な岩脈を構成していたと考えられる。西側から見上げるときれいな節理が見られるが、これはマグマが冷えて固まる時にできたもので、一連の岩脈全体は様似ヒン岩岩脈 と名付けられた火成岩から構成されている。地層の割れ目にマグマが入り込み、大地が隆起する過程で風雨や波によって柔らかい地層(堆積岩)が削られ、固い火成岩が残った。この火成岩がさらに部分的に崩れ、現在のようないくつかの山、島、陸繋島となっている。日高の海岸でヒン岩は少ない。

参考文献

関連項目

  • 様似中継局:エンルム岬にある中継局
  • 襟裳岬:同じくアイヌ語の「エンルㇺ」が語源とされる岬。
  • 絵鞆岬:同じくアイヌ語の「エンルㇺ」が語源とされる岬。


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エンルム岬

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