『声とギター ジル・ルミノーゾ』(原題:Gil Luminoso - Voz & Violão)は、ブラジルのミュージシャン、ジルベルト・ジルのスタジオ・アルバム。元々は1999年に録音され、同年発売の書籍『GiLuminoso』に付属していたCDが初出で、2006年に単体のアルバムとして発売された。
背景
ジルが1969年から1990年代にかけて発表した曲を、ギター弾き語りで再録音した内容である。ただし、「オ・ソン・ダ・ペッソーア(人の響き)」の作曲は、書籍『GiLuminoso』を監修した美術家ベネー・フォンテレスにより、フォンテレスはボーカルでも参加している。また、「ヴォセ・イ・ヴォセ(あなたとあなた)」はガル・コスタのアルバム『チェシャ猫の微笑』(1993年)に提供された曲で、ジル自身による録音は本作が初となる。
ジル自身は本作について「このアルバムを発案し、プロデュースした私の友人は、私のレパートリーの中でも特に神秘的・精神的な指向の曲に焦点を当てようとしていたから、そういう方向性のアルバムになった」「とても宗教的だ」と説明している。
反響・評価
アメリカでは『ビルボード』のワールド・ミュージック・アルバム・チャートで15位を記録し、第50回グラミー賞で最優秀コンテンポラリー・ワールド・ミュージック・アルバム賞にノミネートされた。
Jeff Tamarkinはオールミュージックにおいて5点満点中4点を付け「ジルの柔和で穏やかな声と抑制的なギターは、とても温かくソウルフルな印象を醸し出し、その他の伴奏がないにもかかわらず、彼が過去に作り上げてきた音楽と同様に完成されている」と評している。
収録曲
特記なき楽曲はジルベルト・ジル作。
- プレシーゾ・アプレンデール・ア・ソー・セール(ただいることを学ばないといけない) - "Preciso Aprender a Só Ser" - 4:43
- アキ・イ・アゴーラ(ここ、そして今) - "Aqui e Agora" - 5:47
- コッポ・ヴァジーオ(空っぽのコップ) - "Copo Vazio" - 4:31
- ヘチーロス・エスピリトゥアイス(黙想) - "Retiros Espirituais" - 5:31
- オ・セウ・アモール(自分の愛) - "O Seu Amor" - 2:10
- テンポ・ヘイ(時の神様) - "Tempo Rei" - 5:58
- オ・ソン・ダ・ペッソーア(人の響き) - "O Som da Pessoa" (Gilberto Gil, Bene Fonteles) - 1:24
- セレブロ・エレトロニコ(電子頭脳) - "Cérebro Eletrônico" - 5:16
- ア・ハッサ・ウマーナ(人類) - "A Raça Humana" - 4:26
- ヴォセ・イ・ヴォセ(あなたとあなた) - "Você e Você" - 3:51
- スーペル・オーメン-ア・カンサォン(スーパーマン-歌) - "Super-Homem - a Canção" - 3:40
- ヘベント(とどろき) - "Rebento" - 5:35
- メターフォラ(隠喩) - "Metáfora" - 4:14
- メヂタサォン(瞑想) - "Meditação" - 1:51
- オ・コンポジトール・ミ・ヂッシ(作曲家が言うんだ) - "O Compositor Me Disse" - 3:01
脚注・出典



