オリジナル Martin D-45 ( Pre War D-45 ) のリストはC.F.Martin社が第二次世界大戦終戦前に製造した91本のオリジナルD-45のリスト。1933年から1942年に製造されたこれらのギターはスチール弦アコースティックギターの歴史の中でも人気・評価共に特に高く、"American Guitars - An Illustrated History"の著者トム・ウィーラーは「アメリカのギターのかけがえのない宝物」として説明している。 [1]この情報は、印刷物やWebの情報、在庫情報などの売買に関する情報としても利用できる。実際に現存する個体は正確に把握されていませんが、印刷物・インターネットの情報・販売履歴等から照会している。以下のリストは「マイク・ロングワース」の著作「Martin Guitars - A History」からのものである。 [2] 特に重要な関連情報として、ロバート(ボブ)・ハミルトンとブルース・ハーマンによる「マーティン D - 45マスターリスト」でも確認できる。 [3] リスト中で[E]マークが付いたギターはどちらのリストでも確認できる個体である。
シリアルナンバーと製造年
その他
ヴィンテージ・ギターの第一人者「ジョージ・グルーン(ナッシュビル“グルーン・ギター”オーナー。ヴィンテージギターに関する著作多数)」が2010年に“Guitar International”のインタビューで語った話では、一時はオリジナルD-45を含む6本のスタイル45を所有していたが、彼の家の購入と彼の事業の資金調達のために1976年に売却した。
アメリカを拠点に活動する日本人コレクター「マックヤスダ」の膨大なコレクションの中には14本のオリジナルD-45が含まれている事が確認されている。2001年に発売された保田のコレクションを紹介する“The Vintage Guitar Vol.3”の一枚の写真では、個別に撮影された4本と共に12本のオリジナルD-45が確認できる。 2010年に日本で発売された“Martin Guiatr Book”では、“Bernie Leadon”が所有していた物を含む2本のオリジナルD-45が掲載されている。
“Marty Stuart”はジョニー・キャッシュより譲り受けた1939年のD-45(シリアルナンバーは公表されていません)を所有&演奏している。このギターは「Cash」の刻印と大きなダメージが有る。Tut Taylorの証言によれば、彼は元々Hank Williams Jrにこのギターを売り、その後だれかがジョニーキャッシュに譲り渡したようである。
ある時期、グルーン・ギターは"Will Lee Cooper"に2本のオリジナルD-45を販売した。1本は「Lee Mooreが所有していたスノウフレイク・インレイ&オーバーサイズピックガードの1938年製」、もう一本は「D-43と間違えて刻印された1942年製」で、シリアルナンバーは公表されていません。1942年製の販売価格は$100,000でした。 2013年にはこの1942年製D-45が再度グルーン・ギターズによって“Gillian Welch”へ販売されている。
ハリウッドを代表する俳優でありギタリストでもあるSteven Segal(スティーブンセガール)は、2004年の“Vintage Guitar”紙で1937年から1938年頃に作られた「スノウフレイクインレイのD-45」を所有していると話している。 ※翻訳元では「D-35」であるがD-35は1965年からの製造であり、流れから見ても誤記と思われます。
ある1939年製D-45(シリアル番号は公表されていません)は2004年7月に発売された"Vintage Gutar Magazin"に写真が掲載されている。
ある1939年製D-45(シリアル番号は公表されていません)は、1994年に発売されたトニーライスのCD"Tone Poems" with David Grisman”の中で "I Don’t Want Your Mandolins Mister" に使用されており、このギターは1996年1月の"Acoustic Guitar Magazin"の表紙を飾っている。
1939年製D-45(#73129)は2013年にグルーン・ギターによってインディアナポリス・コルツのオーナー”Jim Irsay"に販売された。
Martin社の歴史研究の第一人者「Mike Longworth(マイクロングワース)」は1940年製のD-45(シリアルナンバーは不明)を所有しており、このギターは1974年から1995年までMartin Museumに展示されていた。1995年にはクリスティーズ・オークションで売りに出されたものの、販売する事はできなかった。
1940年製D-45(シリアルナンバーは公表されていません)は現在「Hank Risan's Museum of Modern Instruments (MOMI) 」で保管されている。ここにはBob Willsが所有していた1941年製D-45も保管されている(こちらもシリアルナンバーは公表されていません)。
1940年製D-45(シリアルナンバーは公表されていません)は、2008年から2009年頃にグルーン・ギターで販売されていた。また別の1940年製D-45が2015年6月にグルーンギターにより$195,000で販売されている。
素晴らしいコンディションを保ったある1940年D-45(シリアルナンバーは公表されていません)は、イギリスで写真が掲載されており、同じ写真がTony Baconの著作"The Ultimate Guitar Sourcebook" の33ページに1940年製D-45として紹介されている。
ある1941年製D-45はシリアルナンバーを含めたその他の情報はないものの、・写真だけが残されている。
多数のクラックリペアとリフィニッシュされたある1941年製D-45(シリアルナンバーは公表されていません)は、2007年にグルーン・ギターにより$ 85,000で販売されている。
素晴らしい状態を保ったある1942年製D-45(シリアルナンバーは不明)は、2009年5月の"Vintage Guitar Magazine"で紹介されている。
Dan Erlewineによってネック折れを修理されたある1942年製D-45(シリアルナンバーは不明)は、2007年にグルーン・ギターによって$ 175,000で販売された。
このFacebookページには、オリジナルを含む多数のD-45の写真が掲載されている
2000年にリットーミュージックが"Martin D-45: A Chronicle of the Jewelled Dreadnought"には、ジーン・オートリー・ミュージアムのコレクションが引用されている。
“Wilma Lee Cooper”と“Red Smiley”によるオリジナルD-45の映像もある。
価値
1942年のマーティン・ギターの資料では、D-45の販売価格は$250でした(Harold Waglerへ1963年10月に出した手紙による)。また、この当時の$250を2014年の価値へ換算すると約$3,630になる。ただ、この当時の初任給や物価を考えた実際の価値で言えば、実際には現在の約$6,700から$11,100に相当すると考えられます。
オリジナルD-45は、歴史・音色・価値の全てが名実共に最高のアコースティックギターとして知られており、製造されてから70年以上経った今その価格は大幅に上昇している。
1988年5月に発売された“Fret”紙では、ミント・コンディションの1939年製D-45の平均価格が$15,000($6,000〜$22,000)で、1942年製のD-45の平均価格は$13,000($6,000〜$21,000)でしたが、2002年の"Vintage Guitar Price Guide"では1936年から1937年のD-45が約$200,000、1940年から1942年のD-45は$150,000となり、さらに2011年には1942年製のミントコンディションのD-45が$375,000で販売されている(過去最高値)。コンディションや希少性により、現在のオリジナルD-45の価値は$175,000から$350,000と言われている。 非公式ながら、Martin Guitar Forumではスノウフレイク&フォワードシフト・Xブレイスの1938年製D-45が個人間取引により$400,000で販売されたとされている。
脚注

![Martin D45 S Deluxe [1992] A1257](http://www.vintage-guitar.de/img/vintage/953/Martin_D-45_S_Deluxe_label.jpg)


